映画『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』の全国拡大公開を記念して、10月31日(金)に、TOHOシネマズ 日比谷にて全国拡大公開初日記念舞台挨拶を実施。本作で親子役を演じた竹野内豊さん(息子ハヤト役)と堺正章さん(父ユウゾウ役)、風吹ジュンさん(母メイコ役)、エリック・クー監督が登壇、映画の魅力や、豪華共演者たちとのエピソード、また国際色豊かな撮影時の心境などを語り尽くした。

本作は、日本・フランス・シンガポールの国際共同合作で、群馬県高崎市と千葉県いすみ市で撮影が行われた。昨年10月に韓国・釜山国際映画祭のクロージング作品として上映され、東京国際映画祭ではガラ・セレクションに選出された。
竹野内は「あのカトリーヌ・ドヌーヴさんが日本の景色の中でお芝居をしている。その姿を見れるだけでも貴重」と見どころに挙げながら「エリック監督の撮影はスピーディー。エネルギッシュで純粋な心を持つ少年のような素敵な監督です。その監督の人柄が作品に映し出されている作品です」と予告した。

堺は「とてもお酒が好きな監督で、撮影中は彼の好きな日本のスコッチウィスキーをプレゼントしました。少しでも僕のカットが多くなればいいなと思ってプレゼントしたけれど、たいして効果はなかったかな?」とジョーク。エリック監督も「今日も貴重なボトルを1本頂いたので、舞台袖でちょっとだけ飲んじゃいました」とすっかり打ち解けていた。

風吹は「エリック監督は初対面時からとても優しい笑顔を浮かべていて、終始温かく現場を見守ってくれる。日本・フランス・シンガポールの合作が成功したのはエリック監督のお陰です」と感謝した。

この日のためにシンガポールから来日したエリック監督は「素晴らしい俳優の皆さんと共に昨年行われた撮影は、私にとっても特別な経験になりました」と喜びながら「カトリーヌ・ドヌーヴは『シェルブールの雨傘』(1964年)のプロモーションで日本を訪れて以来、日本の地で映画を撮ることが夢だったそうです」と報告した。

また竹野内は合作ならではの経験として「脚本はフランス語で書かれたものを日本語に訳したものだったので、言葉の違いでシーン自体の解釈が変わってくると思っていました」と明かし「その点はエリック監督が僕らの意見を尊重してくださいました。それによってとても自由にお芝居することが出来て、役者としてはやりやすい現場でした」と振り返った。
一方、堺はドヌーヴとの共演シーンに触れて「千葉の海のシーンでは、ドヌーヴさんから『このシーンを盛り上げるためにはどうするべきか?』という質問を受けた」という。これに堺はアイデアを二つほど提案したそうだが「すべて却下されました。撮影を中断してまで二人でディスカッションしたんですよ?これは良いアイデアだと思って言ってみたら…却下。結局は台本通りにやりました。そこが見どころ。海のシーン、観てください!」と大笑いで注目シーンに挙げていた。
最後に竹野内は「この映画のご覧になったお客様の感想は歩んできた人生によって様々だと思います。是非とも最後までお楽しみください」、
堺は「私自身も高齢者で、これからの現世と来世はどうなるのかと、現実的に考えて生きています。この映画は来世を現世の続きのように日常的に描いています。その辺りをご自分の年齢に合わせて楽しんでいただきたいです」、
風吹は「私が好きなのは、ありのままのカトリーヌ・ドヌーヴが映っているという事。皆さんにも近くに感じていただければ幸いです」とPR。
エリック監督も「この映画は自分の作品の中でも最も個人的な映画になりました。脚本家でもある息子と夜通し一緒に親子の物語を考えて作ったからです。この映画は平和と救済の物語です。それは今の世の中に最も必要なことだと思うから。本作を通して愛を感じていただけたら幸いです」と呼び掛けていた。
『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』
2025年10月31日(金)全国拡大公開中
https://spiritworld.jp/